フェリチンとは
鉄が足らなくなると貧血になるのはよく知られています。 知られていないのは、鉄を貯蔵する『フェリチン』と呼ばれる予備鉄の存在とその役目です。
まずはフェリチンとは何かと、その重要性と働きを理解しましょう!

フェリチンとは、微量金属元素でミネラルに分類される栄養素の『鉄』をおよそ4,500個を包んだ高分子鉄タンパクのことです。 貯蔵鉄とも呼ばれ全身に分布し、鉄を必要とする鉄需要が起きると、中の鉄はトランスフェリチンという別の鉄タンパクに載せ換え血中に放出し、最後に細胞に取り込まれ、細胞ごとの鉄代謝が行われます。
鉄代謝は多岐に渡り、胎児や乳幼児時期の脳神経細胞生成、DNA合成、酸素を運ぶヘモグロビン生成、脳神経伝達物質、抗酸化物質カタラーゼ生成、また、美肌や髪・骨の元になるコラーゲン生成など、知られていない重要な代謝に関わります。
そのため鉄を蓄えておくフェリチンの存在は極めて重要で、フェリチン不足は鉄代謝に必要な鉄量が不十分となり、これら代謝機能にダイレクトに影響し、不調や病態を引き起こします。
フェリチンと血液中の血清フェリチンは相関があり、最も正確にフェリチンを把握する方法は血清フェリチン検査です。
臨床検証 炎症・腫瘍がある時のフェリチン値分布
フェリチン値読み方と注意すべき事項
フェリチンが低値を示す病態は、鉄欠乏症しかありませんので、低値を示すと鉄欠乏は確定します。