基準値とは
基準値とは、ある検査所で検査し、健康と判断された検査結果群の上限分布2.5%と下限分布2.5%を除いた95%統計の下限値〜上限値のことです。
これは統計値であり、あるべき正常値ではありません。
また検査所により基準値は異なります。
ただし多くの一般臨床医療機関では、基準値内に入っていると正常と判断されることがありますが、基準値と、あるべき正常値が異なることを認識する必要があります。
例えば、フェリチン値はもともと鉄欠乏気味の日本女性は、統計値は低い方にバイアスされており、基準値内=正常値ではないことです。
基準値の見方の注意点
一般には検査値が基準値の下限値に近い方が良いと考えがちですが、検査項目に依っては当てはまりません。 栄養療法からの観点では、それぞれの血液検査項目の値は、特定の酵素と検査試薬の反応の副産物を見ますが、例えばタンパク質代謝はその副産物量を見ます。
タンパク質代謝が多いとアンモニア(尿素)が生成され、それは窒素として検出されます。
窒素が多いと腎機能低下を疑いますが、逆に低すぎるのはタンパク質代謝が悪いという解釈がされます。
総コレステロールも同様で、高いのは悪で低い方が良いと思われがちですが、コレステロールの食事から占める割合は30%しかなく、ほとんどは体内で作られ、また体内で作るビタミンDの原材料になります。紫外線の作用でビタミンDになります。
ついまり総コレステロール値が低すぎるとビタミンDが作られなくなります。