不調の原因 - 栄養素不足を見つけ出すお手伝いをします
- 貯蔵鉄フェリチン・タンパク質代謝・亜鉛代謝などを検出 -
代謝から見ると不調や病気は、
⚫︎ 必要な栄養素が至適量になく、その栄養素が関係する代謝が十分に行えていない
⚫︎ 栄養素を消化・吸収できず栄養素が有効利用できていない(基本のタンパク質代謝ができていない、胃酸分泌不足、腸内環境悪化)
⚫︎ 栄養素の過剰摂取
その他、外的な要因(ウイルス・細菌・酸化物質など)を含め、体の中の分子レベルで起きる代謝を理解すると、不調の原因が見えてきます。

代謝とは、生命を維持するために、細胞の再生や様々な物質の生成を、生化学の分子レベルで起こす化学反応のことです。
一連の化学反応に必要な材料となるのが栄養素です。
栄養素とは、ご存知のタンパク質・脂質・糖質と、ビタミン・ミネラル(微量金属元素)です。
これら基礎栄養素は胃や腸で消化・吸収、さらに低分子に分解し、ビタミン・ミネラルと共に血中経由で全身へ送られ、様々な代謝を連続して合成さ、細胞の再生やホルモンなどの物質を生成します。
栄養素は全身で関わる全ての代謝に必要となり、その必要量を至適量といいます。
栄養素の摂取基準はありますが、至適量は、性別・年齢・体格・エネルギー消費や妊娠などの生理的条件で変わります。
つまり至適量は個人々々で異なることに留意が必要です。
血液検査結果には「基準値」が書かれていますが、それに対して「理想値」があります。ある代謝に関する栄養素が十分であろうと推測される値です。
「理想値」は「至適量」を満たす値と考えられます。
なお、サプリのビタミンやミネラルを摂っても効果がない、との声がしばしば上がりますが、先に冒頭の(2)を疑い、(1)を実行しましょう。
具体的には全ての代謝の基本の基本、プロテインです。徐々にあげその後に鉄などを至適量飲むことです。
栄養素不足で起きる身近な体調不良や病態の例
代謝の基本となるのはタンパク質です。そもそもタンパク質が足りているか、食事やサプリが消化・吸収できているか、これらは全ての代謝の共通課題となります。
逆に必要な栄養素が至適量摂取できていれば、これらの不調や疾患から回復が見込まれることになります!

● そもそもタンパク質が至適量無いと全ての代謝は十分でなくなる可能性があります。
全ての代謝に不可欠なタンパク質の1日の至適量は、おおよそ体重の1/1,000グラムです。体重50Kgですと50g/日で、卵換算では7個/日程度です。
足りないタンパク質はプロテインを飲むといいでしょう・
長寿の元気なお年寄りは、肉や卵をより多く食べている統計があり、高タンパク体質は健康維持に寄与していると考えます。
● 肌の主成分はコラーゲンです。肌代謝は、コラーゲンを分解し作り直しを繰り返しますが、コラーゲン生成はかなり複雑で、タンパク質(アミノ酸)、ビタミンCと鉄を組み合わせて作ります。
美肌維持にはこれら栄養素を至適量(必要なだけ)取る事です。足りないと合成が滞り肌荒れや髪が薄くなる、骨再生などの不調や病態を引き起こします。
● 骨の構造はコラーゲン半分とカルシウム半分です。骨問題はカルシウムばかり話題になりますが、コラーゲンの基はタンパク質です。
なお、コラーゲンの分子構造は、三つ編みのようならせん構造の高分子タンパクで、肌細胞の中にある細胞小器官で合成されます。
高分子構造のタンパク質は、食べると消化・分解されますので、『コラーゲン』を食べても消化・分解されるだけです。
残念ながら食品やサプリのコラーゲンは直接体内のコラーゲンにはなり得ません。
良質なタンパク質を含む食品やサプリとしての『コラーゲン』であれば、タンパク質摂取としては助けになる可能性はあります。
● 貧血は、鉄やタンパク質、さらに葉酸とビタミン12のいずれか、もしくは多くが不足状態となった場合、赤血球のヘモグロビン代謝が滞った病態です。
● メンタルヘルスに関わる代謝で、必要となるタンパク質、ビタミンB群、鉄・亜鉛・マグネシウムが一つでも至適量に欠けると、ストレスを平衡させる働きの物質が脳で合成されず、様々なメンタルヘルス病態を引き起こします。
● タンパク質、脂質と、鉄などのミネラル類が不足するとエネルギー生成(ATP)効率は低下し、体温が上がらず冷え症になり、様々な不調が起きます。
● 気をつけるべき栄養素過剰は糖質(炭水化物)です。精製された 白米・精白小麦粉食品(うどん・パンなど)・白糖は美味しく感じる反面、ビタミンと食物繊維もほぼ無くなっており、また過剰摂取はビタミンB1不足を招き、糖質過多は血糖値の乱高下と内臓脂肪を増やし、様々な病態を引き起こします。
● 健康を害する外的要因として、ウイルスや細菌感染などがありますが、その他にあまり認識されていない工業食品製品や化学食品の影響があります。
● 食品に付着している残留農薬・防カビ剤・洗浄剤、または工業的に生成される加工食品への食品添加物です。
これらは代謝異常をきたす(酸化作用で細胞膜の炎症を起こす、必要以上の細胞死を誘発する、さらに内部のDNAを損傷し異常増殖(癌)を引き起こす)ことは学術的に解明されています。※
食品添加物についてはWHO(世界保健機構)から規制勧告が出ており、例えば海外(欧米のみではない)では規制されているトランス脂肪酸(マーガリンや、多くのパンや菓子類のショートニング等に含有)です。
日本では農林水産省は規制する根拠が世界基準とは異なり、個々の含有量が少ないと問題はないとの見解で規制はされていません。これらは多くの加工食品に添加されており、総摂取量から見ると大きな課題でしょう。
また加工食品には、加工済みの原材料への添加物の表示義務がないなどの実態もあり、健康は栄養素不足以外にも注意を払う必要があります。
食品の裏にある成分表を見て、どの様な添加物が入っているか気をつけましょう!
● 健康を害する外的要因への効果的な対抗は、抗酸化と免疫機能を上げる栄養素を積極的に摂ることです。
ビタミンA・B群・C・D・E(自然由来に限る)、鉄・亜鉛・マグネシウム、脂肪酸の中でもオメガ3などの不飽和脂肪酸や中鎖脂肪酸、並びに抗酸化物質や免疫機能を支える基礎のアミノ酸から作る酵素物質そのものは、元はタンパク質からできています。
なお菜食主義は健康や環境に良いとのイメージがありますが、植物性タンパク量は動物性タンパク量に比べ相対的に含有量は低く、植物性タンパク質からの必要摂取量はかなり多くの植物を摂る必要があります。
鉄分も同様です。食べられる量を遥かに超える植物の摂取量が必要になり、菜食主義(特に厳格なビーガン)は、健康的なイメージは実健康を栄養素から見ると真逆の現実があります。
※ 東北大学 2022年 トランス脂肪酸による新たな毒性メカニズムの解明、など