私のオーソモレキュラー栄養療法、愛犬のがん治療実践

『自宅でフェリチン検査』検査キットの背景

私が運営するリ・スタート株式会社は2019年に指先微量採血血液検査キットを使った、フェリチン、血清鉄検査を委託開発し、それらを生活習慣病検査キットに加え第一世代の製品としました。 検査キットのメリットや課題を知り尽くした第二世代の検査キット販売の経験を経て、現在は別メーカーのキットを使用する第3世代目の検査キットとなっております。
第一世代から自己採血検査キットの難しさは販売を通じて経験し、その対策はメーカー依存ができないため、独自にリサーチし手法を医学学術書を参考に考案し、さらにメーカーが規定する手順ではない独自の手順で別メーカーの第3世代にて解決を模索しました。

 
 

経験して分かった自己採血検査キットに求められることとは

自分で指先に専用の針を刺し採血する自己採血型の血液検査キットは、開発メーカーのポリシーにより検査キットの仕様となり、仕様は精度などの性能は大きく左右されます。

最も気をつけるべき共通課題は、採血した血液の溶血発生の抑制と凝血防止です。

多くの検査キット開発ポリシーは採血量を少なくすることを競います。何故なら、針を細くして際した時の痛みを小さくするためですが、これは痛みによるクレーム対策とも言い換えられます。
病院の採血量はおよそ10mlで、対して検査キットの最小量は50μlで、1/200のごく微量です。単純計算ではこの量を検査項目数で割ったのが項目ごとの血液量ですが、量が少ないため、希釈液で量を増やします。
例えば10倍にすると項目ごとの量は10倍になります。

この希釈倍率が大きくなるほど、検体に誤差が含まれると精度は希釈倍率に比例し下がります。
つまり採血量が少ないことを長所とすると、トレードオフは精度が下がる短所になる得ることです。ただしこの短所は当然ながら明記しません。

弊社のポリシーは十分な採血量を確保することです。そのために12項目の検査採血量を3倍の150μlとして、その出血量を確保できるランセットを選択しています。
つまり極少量の採血に抑えることは本末転倒である、との結論です。

 
 

溶血と凝血防止対策

溶血とは赤血球が壊れ中の成分が出てしまうことです。赤血球には鉄を含むヘモグロビンがあり、鉄を含むと赤色になります。溶血が起きると検体の赤色は濃くなり、色判定で溶血がわかります。
溶血は採血時と、採血した検体が凝血した場合、検査所で検査処理時に溶血がおきます。
そのため溶血が起きずに素早く必要量を採血出来る手法が必要です。
 
ここにこれらを防ぐ弊社のノウハウがあります。

また凝血は検体を検査所へ送るときにも発生します。温度管理が不十分、検査所受領までの日数がかかる場合です、この管理は徹底する必要があります。
検体郵便ポスト投函返送は、ポスト内の温度上昇で検体の温度管理と日数管理リスクを増大させます。凝血による溶血発生は精度を落とし最悪検査不能になります。
そのため、温度管理が徹底され、返送日数が日本全国1日であるチルドゆうパックを使っています。
郵送料はかかりますが、品質担保を最優先としています。

 
 

リ・スタート貧血ナビ

フェリチン検査キット開発と販売を始めたきっかけ

当時の顧問医師であった血液内科医師からのアドバイスです。 貧血は日本では隠れた大きな問題にも関わらず、これに積極的に取り組む医師や事業者は少なく、フェリチンを理解していない医師も存在します。
鉄剤処方が唯一の治療として処方されますが、鉄剤の保険点数が低いのも問題意識の低い裏事情としてあります。
 
貧血問題を広く表面化し、貧血で苦しんでいる人を救済するためには、ヘモグロビン、血清鉄と、何より一般には検査をしないフェリチンが簡単に検査できるキットがあれば認識が広まりやすい、との言葉からでした。

『フェリチン』とオーソモレキュラー栄養療法の気付き

元々ヘルスケアとITを結びつけた疾病の重症化予防に着目し、特に糖尿病の重症化リスクを予測するアルゴリズムを、データサイエンス(今のビッグデータ処理、AIの走り)の手法で開発着手をしました。 糖尿病の重症化とその合併症を防ぐのに最も有効なのは、”バランスの良いカロリーを抑えた食事療法と運動、投薬のアドヒアランス遵守”である、と広く医学会から支持されていました。
データサイエンスでの糖尿病重症化予想の特許出願も同時に進めていましたが、ところが調査を進めデータを集めるほど治療の効果は限定的であり、重症化防止にほとんど効果がないことが分かり始めました。医学会の一般的な治療方針に疑問が出始め、開発を断念せざるを得なくなりました。
 
なお医療が最も進んでいると言われる日本で、糖尿病、心疾患、脳疾患、がん患者、精神病患者数は年々増える一方で、ますます疑問は増す一方でした。
 
その時に貧血問題の提起があり、フェリチン検査の世界に入った次第です。
フェリチンとは何かを突き詰めてゆく過程で、身体と代謝の仕組みを解説する分子生物学は、生物の誕生と進化の仕組み、そして生物が成長しやがて自然死にいたる過程は神秘です。
全てはDNAです。病気と呼ばれるものは炎症であり、炎症は酸化還元作用を持つ物理の世界です。免疫の仕組みを含め栄養素と代謝が深く関係することを、物理学者である三石巌博士の書物に出会い、さらに分子栄養学の奥へ覗き込みました。
 
藤川徳美先生の書からも臨床医から多大な情報が発せられており、また宗田哲夫先生の書からは、前述の糖尿病などの疑問が全て解けた次第です。
医学会の一般常識とは異なりますが、栄養療法こそが真の根本治療であり、対症療法では病は治らないこと、生物は物理学の上の生化学で成り立つことで全て説明がつきます。
日本栄養精神医学会 会長 /医療法人山口(川越)の奥平智之先生との出会いはさらに栄養療法への道筋を明確にし、先生が提唱する「食と心」は日本の医学会が進むべき方向と信じます。

 
 

愛犬へのオーソモレキュラーがん療法

オーソモレキュラー高濃度ビタミンC点滴

フェリチン検査 自宅でフェリチン検査

 
冒頭の米国での栄養療法であるオーソモレキュラーは既に治療の一部として公知されています。 例えば高濃度ビタミンC点滴はがん治療に有効であることで、それは思いがけずにも我が家で有効性を実証することになったのです。
 
我が家のハスキーは後脚踵に肉腫を発症しました。複数の獣医からは脚の付け根から断脚が唯一の生存を延ばす方法と言われましたが、踵の骨の周りの腫瘍切除後に高濃度ビタミンC点滴を行うことを決断しました。
当初「高濃度ビタミンC点滴の効果は限定的であまりお勧めできない、腫瘍を切除しても骨や腱の周りは完全に除去できないのでまた増えるだけ。。」とのコメントでした。
 
腫瘍切除後に点滴を開始し、同時に糖質カットの輸入食に切り替えたところ、切除後しばらく増殖を続けていた腫瘍は小さくなり始め、最後はほぼ消滅しました。
一番驚いていたのは獣医です。
獣医が知らなかったのは、糖質カットの食事です。
そもそも高濃度ビタミンC点滴を行う根拠は、ビタミンCの分子構造は血液中の糖分であるグルコースと酷似しており、がん細胞は栄養源としてのグルコースの代わりに栄養価値がないビタミンCを取り入れ、その結果がん細胞は兵糧攻めで栄養不足で死滅することであり、高濃度ビタミンC点滴は糖質カットがセットで必要であったことです。
 
また背中の腰椎に問題があり、痛みで散歩に出たがらなかったのですが、オーストラリア在住の医師の勧めで、毎食アマニオイル(オメガ3脂肪酸)を小さじ一杯与えたところ、1月後には走るまでに回復したのも驚きでした。

 

栄養学をすべての医師の基本的な教育の一部に - 筆者談

フェリチン検査 自宅でフェリチン検査

 
著名な貧血に詳しい医師は、医師は栄養のことは習わない、栄養は栄養士の役割と言い切っておりました。 現米国政権が進める「栄養学をすべての医師の基本的な教育の一部にする必要がある」との方針が打ち出されており実現でき、日本の医学会が変わらなければ、十年、二十年後には米国と日本の慢性疾患の患者数と死亡率は大きく水をあけられること、日本はますます医療費が増大する一方になっていることが予想され、日本政府と医学会もここを真に理解し改革すべきと考えます。
 

米国保健省ケネディ長官とマクマホン長官、包括的な栄養教育改革を要求

The U.S. Department of Health & Human Services発表

ワシントン—2025年8月27日—米国保健福祉省(HHS)は、米国教育省の支援を受けて、米国の主要な医療教育機関に対し、包括的な栄養教育と訓練を直ちに実施するよう促す大規模な取り組みを本日発表しました。

フェリチン検査 自宅でフェリチン検査

 
この取り組みは、トランプ政権およびロバート・F・ケネディ・ジュニア長官の「Make America Healthy Again」アジェンダの一環であり、予防と高度な食事及び公衆衛生対策を通じた慢性疾患の削減を優先しています。ケネディ長官のカメラに向けた直接のビデオを視聴し、彼のウォールストリート・ジャーナル紙への論評をお読みください。  
毎年、推定100万人のアメリカ人が食事に関連する慢性疾患で死亡しており、同時に米国は慢性疾患と精神健康ケアに年間4.4兆ドル以上を費やしています。
 
栄養が病気予防の最も強力な手段の一つであるという圧倒的な証拠があるにもかかわらず、大多数の医師は栄養指導についてほとんど教育を受けずに卒業しています。
 
ケネディ長官は「医学部は栄養について話しますが、教えることはしません」と述べています。「私たちは、医学教育のあらゆる段階で栄養教育を組み込み、機関に進捗を問責し、将来のすべての医師に病気を治療するだけでなく予防するためのツールを備えさせるという即時かつ測定可能な改革を要求しています。」
 
アメリカ医科大学協会の最近のデータによると、米国のすべての医科大学が栄養を取り扱っていると主張していますが、他の調査では大多数の医学生が2時間未満の授業しか受けていないと報告しています。
 
2024年に発表された研究によると、米国の医学校の75%には必須の臨床栄養クラスがなく、また研修プログラムのうち必須の栄養カリキュラムを持つのはわずか14%です。
 
保健福祉省は、医学教育の継続的な過程での栄養教育の基準を引き上げることを求めています。国の医学校は、この医療訓練における重要なギャップを根本的に解決し、将来および現役の医師が患者に対してエビデンスに基づく栄養指導を提供するための必須知識を持つことを確実にしなければなりません。
 
「米国の医学教育は、慢性疾患の予防と治療における栄養の役割に関する圧倒的な研究結果に追いついていません」とリンダ・マクマホン米国教育長官は述べました。
「全国の医学校は、将来の医師が患者の健康を最善に守るための手段を持てるように、最新の研究と訓練内容をすぐに調整しなければなりません。」 
 
米国教育省は、特に子供たちの慢性疾患率を低減するためにHHS(保健福祉省)とともに取り組むことを誇りに思います。この格差を解消するために、HHSと教育省は、次の6つの重要分野全体に栄養教育の要件を組み込むことを呼びかけています:
事前医学基準、医学校カリキュラム統合、医師免許試験、研修医要件、専門医認定、継続教育。
 
HHSは、米国の医学教育機関に対して、2025年9月10日までに、栄養教育に関するコミットメントの範囲、スケジュール、基準との整合性、測定可能なマイルストーン、および説明責任の措置を詳細に記述した計画を提出するよう指示しています。このイニシアチブは、2025年の米国人向け食事ガイドラインの発表に先立つものであり、これはトランプ政権が「アメリカを再び健康にする」議題の一環として慢性疾患の流行を逆転させるための中心的なツールとして位置づけています。

 
原文はこちら

コラム一覧