女性の鉄欠乏課題
フェリチン不足と鉄欠乏について
貧血診断より圧倒的に多い女性の鉄欠乏症
女性に圧倒的に多く、よく知られている鉄欠乏は貧血として知られ、血液の中の赤血球数の低下、または、ヘモグロビンの値の低下を来した状態の総称です。 貧血は幾つかの種類に分類されますが、貧血のうち約9割りを占めるのが、人の体には絶対不可欠の鉄栄養素である鉄が不足する鉄欠乏性貧血です。 ヘモグロビンの役目は肺で酸素と結合し、その酸素を全身の細胞に供給する極めて重要な働きをしますが、鉄不足はヘモグロビンの減少をまねきます。 そうすると十分な酸素を供給できない酸素不足になります。 特に40%の酸素を消費する脳への酸素不足の影響は大きく、貧血になるとめまいや頭痛、睡眠障害、全身倦怠感などが起きるのは、鉄不足に起因する脳への酸素供給不足状態となるためです。
貧血は基本的にはヘモグロビン濃度(b/dl)で判定します。男女ならびにライフステージで貧血疑い値は変わります。
成人女子:12g/dl以下
新生児:13g/dl以下
乳幼児:11g/dl以下
学童:12g/dl以下
高齢者・妊婦:11g/dl以下
成人男子:13g/dl以下(出展:日本臨床検査学会)
ただし貧血診断とならなおにも関わらず同様な症状や、うつなどの精神症が発症するケースが、貧血診断より5倍以上も存在します。
これを潜在性鉄欠乏症と言います。
つまり貧血判定では、鉄欠乏は分からない場合が多くあることが課題となります。
この場合、血液のフェリチンを測ると鉄欠乏は明確に判明します。
フェリチンとはタンパク質でできた鉄を入れるカゴを言います。予備鉄とも言われ、肝臓や膵臓を中心に全身の内臓器官に備蓄されます。 フェリチンを測ることにより、鉄がどの程度身体に蓄えられているか、他の鉄マーカー検査と合わせて知ることができます。 鉄需要があると、鉄はフェリチンから取り出し、トランスフェリチンと言う別のタンパク質で包まれ、血中に放出され必要としている細胞に取り込まれます。 鉄需要の最優先はヘモグロビン生成です。赤血球は25兆個あり、約120日ごとに壊しては再生します。2,000億個/日の計算です。但し壊した赤血球の鉄はリサイクルされ、赤血球再生のための新たな鉄は必要がありませんが、女性の場合は別です。 生理で血液を喪失しますので鉄補給が必要となります。その他汗など生理現象でも少量の鉄は喪失しています。 鉄喪失と摂取のバランスがフェリチン検査で見えてきます。
但しフェリチン検査は一般の医療機関では検査項目の対象に入っていません。血液検査の項目をご覧ください。載っていません。 従い検査を行う医療期間は少なく、また依頼を行うと、貧血症状がない場合は保険対象とならず実費となります。 左記の画像はフェリチン値の臨床検証データです。 この機関では正常値を12ng/ml〜としていますが、日本の定義は甘く、30を切ると重篤な鉄欠乏症状が出始める臨床報告があります。 なお欧米では50ng/mlを切ると妊娠は推奨されません。 またフェリチンを検査することにより、体内に炎症がある場合は高知になります。
そのため、血清フェリチンの検査には体内炎症反応CRP検査は必須です。
造血系の腫瘍(白血病など)のスクリーニング参照にもなります。
気をつけないといけないフェリチン不足による鉄欠乏
人の体には約3〜5gの鉄があり、そのうち約2/3の鉄は赤血球のヘモグロビンの中、残りはフェリチンと呼ぶ肝臓に貯蔵鉄として、鉄が不足したときの貯えがあり ます。 その他にも鉄は全身にあり、基礎代謝や脳の神経伝達物質の生成にも使われます。 ヘモグロビンの鉄はおサイフ、フェリチンは銀行口座の残高に例えられます。 特に女性は生理で血を失い、おサイフの中身は減っていきます。この時に口座残高が十分あれば口座から鉄を引き出しお財布に補充します。 問題は残高が十分でないフェリチン不足の場合です。この場合は身体全体に鉄を補充ができない、潜在性鉄欠乏症となります。 この状況はヘモグロビン検査では基準値で正常診断がされても、基礎代謝障害で原因不明の体調不良として不定愁訴や、精神疾患の原因の一つとなる事があります。 また鉄欠乏は脳の神経伝達に不可欠である基本元素の鉄の蓄えが低い状態でもあり、体の発育や心疾患に影響する要注意な状態です。※1 ※3
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鉄はどれくらい足りていないのか?
貧血と鉄欠乏対策は子供とその先の世代のため
閉経前で貧血状態並びにフェリチン不足の鉄欠乏の女性は世界基準で見ると半数にものぼります
日本でのフェリチンの基準値である3.6〜114μg/mlから算出すると22%の統計となりますが、世界的にはフェリチンの基準値は各国で異なり、欧米での基準値100μg/mlを適応すると、日本の女性の半数はフェリチン不足の鉄欠乏の疑いがあります。※3
この鉄欠乏は世界的には子供を含む大きな栄養上の課題であり、生育や発達における障害報告がなされており※1、また軽度認知障害との関係の報告もあります。※2 多くの国では貧血対策の啓蒙や、鉄を添加物として積極的に摂取できる対策を立てています。 ところが日本は先進国では唯一行政的な施策は取られていない貧血大国です。※4 また女性の貧血は本人のみの問題ではありません。妊娠すると半数の妊婦が鉄欠乏になる統計があります。鉄欠乏は胎児や乳幼児へも影響は及びます※1。 必要となる事は、自分のフェリチン値と鉄欠乏状態を正しく知り、その対策を取る事です。 鉄欠乏対策は成人のみならず、小児から思春期、成人、妊婦から胎児・乳児へと、女性のライフステージにすべてに渡り、本人とその子供、また次世代の子供達の健全な生育のためにとる必要があります。
出典 ※1:Iron Deficiency in Children With Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder (注意欠陥/多動性障害児の鉄欠乏症) Eric Konofal, MD, PhD; Michel Lecendreux, MD; Isabelle Arnulf, MD, PhD; Marie-Christine Mouren, MD 日本人妊婦を対象とした非侵襲的ヘモグロビン 測定機器開発にむけての基礎研究 - 小児と思春期の鉄欠乏性貧血 ※2:Anemia and Mild Cognitive Impairment in the German General Population Journal of Alzheimer's Disease, vol. 49, no. 4, pp. 1031-1042, 2016 ※3:うつ・パニックは「鉄」不足が原因であった 藤川徳美著 ※4:貧血大国・日本 放置されてきた国民病の原因と対策 山本 佳奈著
健康な身体と心には鉄が必要
女性が鉄欠乏になりやすい要因を説明しました。 また鉄欠乏は食を通して次の世代に受け継がれてしまいがちです。負の連鎖を断ち切るためにもフェリチン検査キットで鉄の量を知り、鉄欠乏にならない食事を撮る習慣づけが必要です。
ぜひ、健康管理のひとつとしてお使いください。
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