見逃される鉄欠乏フェリチンの基準値・理想値とは?

一般的には貧血が鉄欠乏と認識されますが、貧血診断は血中のヘモグロビン濃度や赤血球の大きさや割合から診断されます。
その診断指標は基準値を見ます。
基準値を下回らないと限り貧血診断とはならず、従い鉄欠乏治療はされません。
貧血診断でない場合は、他の検査や原因究明を延々と行いますが、異常は見つからず、鉄欠乏が見逃されると原因不明の体調不良、不定愁訴となり、時には精神疾患を疑われます。
貧血でない鉄欠乏を潜在性鉄欠乏症と言います。それを診断するに最も有効なのは血液検査の血清フェリチン検査です。
たとえフェリチン検査を行なっても、ここにも基準値という落とし穴があります。
検査所の統計で作られ、臨床医療で診断の基準となる基準値とは何か、またそれに対し分子栄養医学でのあるべき理想値との違いを理解し、貧血や潜在性鉄欠乏症はどのように診断されるのか、なぜ原因不明の体調不良と診断されるのかを理解することです。
基準値とは?

基準値とは、ある検査所で健康と判断された検査結果群の下限値分布2.5%と上限値分布2.5%を除いた95%が収まる統計上の分布を基準値と言います。
検査項目によっては基準値を臨床判断値(正常値)とする臨床医療が多く、あくまでも統計値でありあるべき数値ではありません。しかも検査所によって基準値の下限値や上限値は異なります。
つまりもともと鉄欠乏気味の日本女性の血清フェリチン値は、正規分布にはならず統計値は低い方にバイアスされており、数値によっては基準値内であっても正常値ではありませが、例えば臨床医療の貧血判断基準はヘモグロビンや赤血球の基準値であり、基準値内であれば鉄欠乏は異常無しの判断となります。これが基準値の落とし穴となることに留意が必要です。
また基準値越えや高いと心配で、低い方は良いとされがちですが、分子生物学の生化学から代謝を分析する分子栄養医学からはかなり異なる分析となります。
フェリチンの理想値

貧血でない鉄欠乏とは、正式は潜在性鉄欠乏症と言い。検査は血清フェリチンの血液検査を行います。
重要なことは、診断をするにはあるべき正常値は基準値ではなく、理想値であり二つは異なることを知っておく必要があります。血清フェリチン値は男女間で異なるのが特徴で、下記の女性は有経女性となります。
一般臨床医療(病院やクリニック)は基準値で判断し基準値内であれば貧血や鉄欠乏とは見なされず、その結果、症状の原因は鉄欠乏以外となり不明となります。
それに対し分子栄養医学では理想値で判断します。
基準値、一般臨床医療では基準値内であれば貧血や鉄欠乏は異常なしとの診断となります。
男性:20~250ng/ml
女性:10~80ng/ml
理想値、分子栄養医学からのあるべき正常値となります。
※ 男性:100〜150ng/ml
※ 女性:50〜80ng/ml
※ 上記数値は、分子栄養の専門医で異なります。
また医学的に鉄過剰は、医学的には1,000ng/ml以上(医師により500ng/ml以上)と言われています。これはほとんどは血球輸血を大量に静注した場合に起き、食事や鉄サプリからの鉄摂取では鉄過剰は起きないと言われています。
分子栄養医学の見地からは、理想値以下は鉄欠乏と見なします。
なお鉄需要は性別の他にも年齢、妊娠、運動量など個人で異なるため、鉄欠乏かどうかは十分な注意が必要です。
検査結果が基準値内にもかかわらず、身体の中で鉄分が不足しているせいで貧血に代表される鉄欠乏の症状が現れることは決して珍しいことではありません。鉄欠乏を放置すると体調不良はますます顕著になり、最終的には貧血に亢進するため、血液検査によってフェリチン値を理想値でチェックするのは必須となります。
鉄欠乏と診断された場合の治療法は?

では、貧血と診断された場合の治療法は、一般的なのは鉄剤が処方され、それを服用することによって症状の改善につなげるケースです。
鉄剤は健康保険適応薬ですが、非ヘム鉄と呼ばれる鉄ですが、吸収効率が悪く、貧血は数週間で改善するとされています。
ヘモグロビン値は1~3ヶ月ほどの時間をかけて、基準値まで上がって行くのが特徴です。
フェリチン不足となった場合の対処と注意点!
鉄サプリといつまで続けるか?
フェリチン不足となった場合は、鉄の補給ですが、基本は鉄を多く含む食材を食べることです。
ただし、食事で改善するためには数ヶ月〜数年が必要となります。
そのため、市販の鉄サプリを飲むのが効果が高い対処法となります。
吸収効率が高いヘム鉄サプリが適しています。
ただしフェリチンは、すぐにはあがらず、たとえヘモグロビンが基準値の範囲内になった時期から、さらに4ヶ月以上近くもの時間を要して、理想値を示すようになります。
このため鉄欠乏の対応は、血清フェリチン値が理想値に正常化したかどうかで終了とみなします。
ただし有経女性、妊婦、成長が著しい第二次性徴期(児童〜青春期)は鉄欠乏になりやすく、2〜4ヶ月ごとの定期的なフェリチン検査が望ましいと考えます。
なお、鉄サプの中には、キレート手法で製造された鉄サプリは、非常にはやくフェリチン値が上がり即効性はありますが、適正値であるかは2ヶ月程度で検査をお勧めします。
身体や心の不調はまず鉄不足を疑い、それにはフェリチン検査が有効です
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有経女性や成長期の子供のフェリチンは下がりやすく、妊婦のフェリチンは25週目ごろから急激に下がり、産後婦の6割が貧血症状や産後うつ症状を発症した調査結果があります。
一般の鉄剤や鉄サプリの服用では、フェリチン値が理想値まで上がるには数ヶ月を要しますが、キレート処理の鉄サプリはかなり早く上がります。
そのためフェリチンの理想値を保つためは2〜4ヶ月ごとの検査が推奨されます。
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女性・妊活女性・妊産婦・子供〜高齢者・健康経営・アスリート、鉄のみならず、メンタル強化からも最適です。
全12項目全ては、鉄とタンパクを含む栄養や免疫系の代謝などが分子栄養から考察できる検査項目となります。
鉄関係:血清フェリチン、血清鉄 (Fe) 生化学:AST (GOT)、ALT (GPT)、ALP、CRP、γ-GTP、中性脂肪 (TG)、総コレステロール、尿素窒素 (BUN)、尿酸 (UA)、アルブミン (Alb)
※ 亜鉛欠乏推定はALP値から、成人でかつ肝臓系の疾患がない方となります
※※ FAQは必ずお読みください
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